リランカ

コロナ過で海外取材を控えていましたが5年半ぶりに再開しました。

ワクワクしながら搭乗すると座席のモニターに飛行状態が映し出され、今どこを飛んでいるかがよくわかります。5年間の進歩に驚きながら見入っておりました。


目的地のコロンボがモニターに次のように表示され、期待に胸が高鳴ります。

スリランカはインドの南東に位置する共和制国家で、国土面積は北海道の約0.8倍、人口は約2,200万人

1948年にイギリスからセイロンとして独立し、1978年から現在の国名となりました。


 
1951年、 サンフランシスコ講和会議において、セイロン代表として会議に出席したJ.R.ジャヤワルダナ氏(のちにスリランカ第2代大統領)は「憎悪は憎悪によって止むことはなく、愛によって止む」という仏陀の言葉を引用して、日本への戦時賠償請求を放棄する演説を行ないました。

そしてアジア諸国の独立に貢献した日本を擁護したと聞き、いつかはこの国に御礼に行かねばならないと思っていたのです。


さて、初日は世界遺産の聖地アヌターダプラを訪ねました。国民の7割が仏教徒で、目が合うと必ず笑顔を見せてくれます。

こうしてひざま付いて涅槃像に祈りを捧げる姿を見ると胸が熱くなります。
         


そして境内では五体投地をする姿がありました。これは仏教において最も丁寧な礼拝方法の一つとされ、絶対的な帰依を表します。




翌日は謎だらけの「空中宮殿」世界遺産シーギリヤ・ロックに登頂します。
広大なジャングルの中、垂直に切り立った巨岩の最上部に造られた「空中宮殿」。そこに行くには、高さ約180m、南北約400mの巨大な岩山の側面に造られた階段をひたすら上っていかなければなりません。いざ登ろうと近づくと、あまりの大きさに少しひるんでしまいます。
                


急な階段を必死に登ってついに登頂!宮殿跡から眺める王様が見た景色です。


かつては約1.6ヘクタールの巨大な宮殿が建っていた跡がキレイに残っています。
こんな高い所に水を引いて王様や多くの人々が生活をしていたとは思えない場所なのですが、スリランカの当時の治水・建築技術の高さが伺えます。

そして高さ180mから見下ろす周囲一面の緑のジャングル。王様は毎日どのような気持ちでこの景色を眺めていたのでしょう……
               
 


翌日に向かったのはダンブッラの石窟寺院ですが、前日の登山による両足の痛みが取れません。でも今日は登りがないのでゆっくりと歩きながら撮影しました。

こちらは1991年に世界遺産に登録された石窟寺院でこの国で最も保存状態が良いといわれています。次の写真は有名なストゥーパと釈迦坐像ですが、面積2,100平方メートルに及ぶ天井画も見逃せません。               

 
スリランカ中部州の州都であるキャンディは、紀元前5世紀から続いたシンハラ王朝の最後の王国の首都があった場所で、かつての王によって造られた人造湖があり、美しい景観が魅力です。

イギリス植民地時代の建物も残され、東洋と西洋が混ざった不思議な雰囲気の町中を三輪のタクシーが颯爽と駆け抜けて行きます。

                


次の日はキャンディから50キロほど離れたビンナワラにある象の孤児院へ。

ここは1975年にスリランカ政府の野生生物保護局により創立された施設で、ジャングルで迷子になったり、密猟によって親を亡くした子象などを中心に保護しています。
いかにも仏教国らしい施設で、川で水浴びをしている50頭近い象を撮影することができました。
                


この日の夕方に訪ねたゴールはスリランカ南部州の港町に築かれた要塞と、その城壁内に形成された歴史地区が世界遺産となっています。


ゴールは古くから交易拠点となっていたと考えられ、ポルトガルからオランダに、そして最後はイギリスによる統治になりますが無血譲渡であったために、当時の建造物群の多くが破壊されなかったとのこと。そして、19世紀後半には交易拠点がコロンボに移ったことで、街並みは良好に保存されました。
都が東京に移ったあとの京都のようで、静かな佇まいに親近感がわいてきます。

写真は海に面した要塞を歩く市民で、特に左端の女性が印象的でした。 

               


いよいよ最後の訪問地コロンボに到着。

ここでもポルトガル、オランダ、イギリスの順に要塞が築かれ、南部の港町「ゴール」の方を向いた障壁の先にあるため、この広場はゴール・フェイス・グリーンと名付けられました。

写真は南端にある5つ星ホテル「ゴール・フェイス・ホテル」で、週末の夕方には一帯がファミリーや友人・恋人と過ごす人たちで混み合います。
               


スリランカの最大都市だけに開発が進められ高層ビルが林立しています。経済発展も必要ですが、過去のように大国に支配される国にはなってくれるなよ、と祈りながらこの国に別れを告げようとしたらフロント嬢が素敵な笑顔で見送ってくれました。

Miss You また会いましょう! 

    

(追記)

久しぶりの海外とあって帰国便搭乗の際にうっかりカメラの予備バッテリーをスーツケースに入れてしまうというミスをしてしまいました。そのためターンテーブルでいつまで待っても荷物が出てきません。仕方なく紛失届を出して帰宅。翌々日、スーツケースは届きましたがバッテリーは没収されていました。

皆さんも搭乗するときにはバッテリーはすべて手荷物にして持ち込むようにご注意を!

(使用機材 OM-1M.ZUIKO.12-45