T  取材記 イタリア編(1) だまされた!(in RomaT

古い話で恐縮ですが若い頃に初めて訪れたイタリアでの失敗談です。

往復の航空運賃のもとを取ろうとヨーロッパへ行くと2か月ほどかけて数か国を巡ります。このときもイギリスとフランスを回った後で緊張感がなくなっていたのでしょう。その頃が一番危ないのです。

ローマでの撮影を大体終えて今日はどこで夕食を摂ろうかと駅前をうろうろしていたら白人が近づいてきて「コース料理が安く食べられるチケットを持っているのだが一緒に行かないか」との誘い。イタリアで英語で話しかけてくる人物には要注意!だとわかっていたのですがわかりやすい英語だったことと安いコース料理に目がくらんだのでしょう。彼の後ろについてそのお店に入りました。

 料理を食べている間は何も起こりませんでした。ただオードブルにキャビアが載っていたのでこの値段でよく出すなあ〜と気にはなりましたが・・

ワインをお代わりして気持ち良くなったころに小柄な白人女性がそばに来て一緒に踊ることに。見れば彼もほかの女性と踊っています。白人女性と踊るのは初めてで「ローマの休日」のグレゴリー・ペックを思い出しながらローマにはこのような出会いがあるのか、と至福の時を楽しんだのです。



さて、席に戻ると彼がいません。代わりに黒スーツの男性が二人やってきて請求書を私に渡します。金額を見てビックリ!90万リラ・・当時のレートで18万円とは・・ここに来てやっと全容が分かりました。暴力バーならぬ暴力レストランだったのです。納得できない、と言った僕は奥の個室へ連れて行かれました。女性と踊っていた時も胸がドキドキでしたが今度はこれからどうなるかという不安でドキドキが激しくなりました・・。

つづく