第19回 「こだわり」 の旅


新世紀のお正月を皆さんはどう過ごされましたか?アッという間に終わってしまいましたねぇ。その間にバリバリ仕事をすると先月書きましたが全くダメでした。掃除も正月前は入念にしなければならないし、やっと年賀状を書き終わったと思ったら出した数の3倍も届きその返事書きで三が日はおしまい。

それからも各社の御用始を待って、始まると同時に撮影旅行の打ち合わせ。この冬だけで3つの旅行を抱え、それぞれの足の手配、行事の催行の確認、食事内容の問い合わせ、後の研究会の会場確保など結構タイヘンなんですヨ。すべて旅行社に依頼すれば楽なんですがそれが出来ないから困った性分です。

それというのは「こだわり」を持っているからです。やる以上は最高のツアー、とまでは行かないとしても出来るだけ多くの人に喜んでもらいたい。そのために許される条件内で選び抜きます。

たとえば昼食。昨年2月の旅行では予約しておいた地元の名物蕎麦屋へ出向き、全員席についたのですがなかなか蕎麦が来ない。やっと出てきたのは店の主人でそれから「正しい蕎麦の食べ方」の講釈が始まる。蕎麦を食べる時はお茶を飲んではいけないとか、その店の蕎麦の特色は…など長々としゃべる。いいかげんにしてくれ、と言いたくなった頃にやっと蕎麦が出て「食べさせて」いただいた。

それに懲りたので7月の旅行ではバス会社に任せたら案の定ドライブイン。マイクで大声で呼ばれて皆でレストランへ入ったら団体客で満杯。機械的に運ばれてくるものを機械的に食べてハイ、オシマイ。その時誰かが言った。2月のあの店が懐かしい…と。

確かに講釈は多かった。でも味は良く、何よりも個性的だった。精一杯我々をもてなそうとしてくれたのだろう。我々も写真でモノを言おうとする個性の集団である。ならば「こだわり」を持つのは当然でそれが作品に生きてくるハズだ。

よし、それでは今冬のツアーもこだわりの旅にしよう。あちこちネットや本で探しまくりやっと決定。ヤレヤレと思ったとたん、今度は10月のイタリヤ旅行が決まった。また個性あるホテルとレストラン探し。ウチは旅行社じゃないんだ!と叫びたくなるが「こだわる」以上は仕方がない。講師の個性は作品にだけではなく、こうしたツアーの内容にまで出てくるようだ。他の教室の講師もこんなにこだわっているのだろうか…。

でも最近、よく旅行に参加いただく方から私のツアーを誉められて気を良くしている。参加申込みが少なくて流れたツアーなどよく耳にするが私のツアーで流したことは一度もない。「こだわりのツアー」の良さが浸透してきたのかも?

まだの方、一度試しにご参加を。

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